眼科専門ページ
眼の病気は身体全体の病気とつながっています。
近年、動物の寿命が著しく延び、高齢だからこそ患う眼科疾患も増えてまいりました。例えば白内障は高齢により発症する疾患の一つです。白内障は病期が進行すると眼の機能が低下し、中には痛みが生じることでQOL(生活の質)が低下することもあります。
しかし、白内障の原因は年齢的なものだけでなく、糖尿病などの合併症として発症する場合もあります。眼の健康を維持するためには、病気の早期発見、早期治療が大切です。
長野市のこやま動物病院では動物たちの健康に役立てていただけるよう、身体の病気、さらには眼の病気を総合的に評価できる機器を備え、治療法をご提案します。
【眼科検査器具】
○フルオレセイン検査
角膜に欠損部(傷)が無いかを評価します。
適応疾患:角膜潰瘍、難治性角膜上皮欠損(SCCEDs)、鼻涙管閉塞、乾性角膜炎(ドライアイ)、角膜穿孔など
検査前 | 検査後 |
○シルマー検査
涙の量を評価します。
適応疾患:乾性角膜炎(KCS・ドライアイ)
○眼圧検査
眼圧を測定します。
高眼圧症、緑内障、ぶどう膜炎など
○細隙灯顕微鏡(スリットランプ)検査
スリット光を用いて角膜から水晶体までを評価します。
適応疾患:角膜潰瘍、核硬化症、白内障、ぶどう膜炎、水晶体脱臼など
○眼底検査
眼底(網膜)を評価します。
適応疾患:網膜剥離、進行性網膜萎縮(PRA)、眼底出血、突発性後天性網膜変性症候群(SARDs)など
○眼部超音波検査
眼球内と眼窩内の評価をします。
適応疾患:水晶体脱臼、網膜剥離、眼球内腫瘤、眼窩内出血、眼窩内腫瘤など
○網膜電図検査(ERG)
網膜の電気生理学的な機能を評価します。
適応疾患:進行性網膜萎縮(PRA)、突発性後天性網膜変性症(SARDs)など
○眼科手術用顕微鏡
精密さが要求される眼科手術では術野を拡大観察しながら手術をする場面が多々あります。当院では眼科用手術顕微鏡を用いて安全確実な手術を行っています。
○白内障治療
白内障は水晶体に何らかの炎症が生じ、水晶体が白濁する疾患です。動物たちの白内障は様々な条件で発生し、病期が進行することで視覚が消失する危険性があります。そして、白内障から続発する合併症(ぶどう膜炎・緑内障・網膜剥離など)により眼球に痛みが生じ、生活の質が低下する厄介なものでもあります。
治療は、合併症の予防を目的とした点眼(内科)治療と、白内障を除去する外科治療があります。一般的には白内障の根治には手術しかありません。しかし、動物たちの白内障手術は、人間と比べ術後の合併症発生率が多いとされているため、「手術をすれば良い」というものでもありません。
動物たちにとってどんな治療が適切なのかは、様々な角度から動物たちを観察し、飼い主様とよく相談した上で決定しなくてはいけません。当院では、白内障外科・内科治療共に実施可能です。ご不明点があればご相談下さい。
手術前 | 手術後 |